|
||
■「アシタのデカール」(ASU・DECA)とは。 ■まずはじめに ■クリア部分が剥がせる仕組み ■デカールの接着力についてその1 『ノリによる接着』 ■デカールの接着力についてその2 『溶剤による接着』 ■セッターを使用する際の注意点 ■デカール用のノリについて ■室温や水温について ■位置決めの際の注意点 ■クリア部分にインクが付いてきた時 ■クリア部分の剥がし方 ■クリア部分を剥がした状態について ■トップコートとエナメル系塗料への対応について ■経年変化について ■ 「アシタのデカール」基本的な貼り方 ■ ご使用上の注意 |
||
■「アシタのデカール」(ASU・DECA)とは。 デカールを貼り付け後、インク面に被さっているクリア部分を剥がすことの出来るデカールです。 クリア部分を剥がすことにより、不自然なクリア部分が残ってシルバリング(デカールのクリア層が反射し銀色に見える状態)が起こらなくなります。 印刷は隠蔽力の強いシルクスクリーン印刷ですので 下地の色が透けにくくなっています。 商品ラインナップはこちらからどうぞ! ■ まずはじめに 剥がすことのできるクリア部分は、台紙に印刷された透明な部分になります。 図のオレンジ色のマークの周り、濃い水色の部分です。 デカールシート全体を覆っている透明なシートは 保護用の間紙ですのでご注意ください。 ご利用前に不要なマークを使って、クリア部分を剥がすテストをしてみることをお勧めします。 ※保護用の間紙はデカールを使い切らなかった場合にも上に被せて保管してください。 デカールの剥がすことのできるクリア部分が他の素材にくっついて剥がれるのを保護してくれます。 貼る際にご注意頂きたい部分は基本的には一般的なデカールと同様です。 ・模型表面の油分や埃をきちんと取り除く ・下地の塗装面を十分に乾燥させる ・デカールを貼る際には室温や水温を調整する ・デカールをしっかりと模型表面に密着させる ・デカールを十分に乾燥させる ・セッターやソフターの使い過ぎには注意する ・トップコートの吹き過ぎには注意する この辺りはカーモデルや航空機モデルのデカールHOW TOが参考になります。 ■ クリア部分が剥がせる仕組み 上の図がデカールが台紙にある状態、 下が模型に貼り付けた状態です。 貼りつけてクリア部分を剥がす際に 模型⇔インク(マーク)⇔クリア部分で 接着力の綱引きが行われます。 接着力Aが勝ったら綺麗にクリア部分が剥がれ、Bが勝ったらクリア部分にインクが付いてしまいます。 接着力Bの強さですが、デカールが台紙にある状態で クリア部分を剥がしてみると確認できます。 おそらくスルスルっと簡単に剥がれるはずです。 クリア部分はその程度の接着力でインクを担保しています。 ■ デカールの接着力についてその1 『ノリによる接着』 接着力Aは2種類あります。 まず一つ目は台紙に塗布されている「ノリ」。 台紙を水に濡らすとヌルヌルしますがそのヌルヌルです。 これは特に特別な「ノリ」ではなくごく一般的な水溶性の「ノリ」です。 国内外のメーカーでほぼ同じものが使われていると思われます。 食品などにも同種の物が使われています。 接着力Aの不足はデカールを水に浸し過ぎることで この「ノリ」が落ちてしまうことが原因の一つです。 長時間デカールを水につけないようご注意ください。 図1の画像が糊分がマークにしっかりついている状態、 図2の画像が糊分が不足している状態です。 図1 図2 ■ デカールの接着力についてその2 『溶剤による接着』 接着力A、もう一つが「溶剤分による固着」です。 溶剤によって貼る対象物にインクが「接着」される状態のことです。 図に赤いアンダーラインを引いてみました。 溶剤には元々のインク自体に含まれる溶剤と セッターなど補助的なマテリアルに含まれる溶剤の 2種類があります。 模型に塗装する際に特にラッカー系の塗料は プラや下地の塗膜をほんの少し浸潤することで強力に食い付きます。 ラッカー系塗料の塗膜が強いのはこの浸潤が水性よりも大きいからです。 アシタのデカールでも同じでインクに含まれる溶剤分が 塗装面を極々僅かに浸潤することで表面に強く貼り付けることができます。 セッターを使用するとよりさらに強力にデカールを貼り付けることが可能です。 セッターに含まれる溶剤が接着剤に近い役割を果たします。 特にコーションなどの細かいマークの場合、 どうしても貼り付け面積が極小となってしまうため セッターなどで補助的に接着力を高める方法をお勧めしています。 セッターを使用して貼り付けた場合、かなり強力に貼りつきます。 爪で擦ってもなかなか剥がれない位の強度です。 マークを剥がす必要がある場合は、うすめ液など溶剤や ペーパーヤスリ、コンパウンドなどをお使いください。 ■ セッターを使用する際の注意点 セッターを使用することでインク分が強力に表面に固着し クリア部分が格段に剥がしやすくなりますがご注意頂きたい点があります。 一般的なデカールと同様ですが、 セッターを使用した場合は乾燥時間は長めに、使い過ぎには注意が必要です。 セッターに含まれる溶剤が模型表面を僅かに浸潤して接着力を担保しますが 逆にデカールのインク側も僅かに浸潤されることになります。 従いまして乾燥時間(=溶剤の揮発時間)はセッターを使わないよりも長くなり、 セッターを使いすぎるとデカールのインクを痛める結果となります。 クリア部分はある一定程度乾燥(=水分の蒸発や溶剤の揮発)が進まないと剥がすことはできません。 きちんと乾燥させればセッターを使用した場合に 接着力Bに負けてしまうことはまずないはずです。 ■ デカール用のノリについて セッターの扱いに慣れていない方には市販のデカール用のノリもオススメです。 溶剤が入っていないので比較的セーフティーにデカールを貼ることができます。 クリア部分を剥がした後に「貼る場所を間違えた」等の場合にも セロテープなどで比較的綺麗にマークを剥がせます。 ※溶剤の入っているデカールノリも市販されています。 よくご確認の上ご使用ください。 ■ 室温や水温について 一般的なデカール同様、アシタのデカールも気温が高い時は柔らかく、 気温が低い時は硬くなります。 柔らかすぎるとデカールに柔軟性が出過ぎて貼りづらくなり 硬いまま無理に馴染ませようとするとデカールの割れの原因となります。 デカールの軟化についてはソフターでももちろん可能ですが アシタのデカールは温めることでかなり柔らかくなります。 お湯や蒸しタオルを使うなどがお勧めです。 台紙からの浮くタイミングも冷水よりお湯の方が早くなります。 ただし、デカールが柔らかくなりますのでご注意ください。 ■ 位置決めの際の注意点 デカールを台紙から切り出すときは、クリア部分を切らずに台紙を切るのが良いでしょう。 (図1破線部分) よく切れるナイフではない場合、クリア部分に刃を入れることによりクリア部分とインク層が 剥がれてしまう場合があります。 この状態でデカールを貼ると崩れてしまうことがあります。(図2) 図1 図2 細かいマークの場合、デカールの位置決めの際に頻繁に動かしたり過度に力を加えると インクとクリア部分がはがれてマークが崩れてしまうことがあります。(図2) 位置決めは速やかに行ってください。 水分がたっぷりあった方がマークが崩れにくくなりますが、 デカールのノリが剥がれすぎると定着力が弱まる場合があります。 位置決めの際にはマークの図柄の入っていないニス部分に触れて移動させると マークが崩れにくくなります。(図3の赤い部分) た、移動させる際は柔らかい筆や綿棒を使用して丁寧に行ってください。 図3 ■ クリア部分にインクが付いてきた時 万が一、クリア部分にマークが付いてきてしまった場合の対処法も 基本的に接着力を補うことになります。 途中まで剥がしたクリア部分にセッターやデカール用糊を塗布して(流し込んで)戻すと 乾燥後再びクリア部分を剥がすことが可能です。 ■ クリア部分の剥がし方 クリア部分を剥がす際の方法というかコツというか体感的な部分ですが、 下の2番目の図のような角度→がトラブルが少ない気がします。 それから、ゆっくりと丁寧に、ですね。 勢いよくベリっと剥がしてしまうと表面に油分や汚れがあって 接着力が乏しい箇所があった際にインクも剥がれてしまう可能性が高まります。 クリア部分を剥がす際には大きく分けてテープで剥がす方法と デザインナイフの先端など鋭利なものにひっかけて剥がす方法があります。 細かいコーションデカールなどはセッターで強力に接着してテープで剥がす、 大きめのマークは万が一の時にリカバリーしやすいようにテープを使わないで剥がすなど シーンに応じて使い分けて頂けるとより扱いやすいでしょう。 ■ クリア部分を剥がした状態について クリア部分を剥がした後は表面の仕上がりは非常にシャープになります。 デカールのクリア部分にある微細な傷や凹凸もなくなるので印象がかなり変わります。 一般的なデカールの場合クリア部分の段差を消すには クリア層を塗料で形成しての研ぎ出しが必要ですが クリア部分がなくなる=物理的にその分の厚みがなくなります。 研ぎ出すのにネックになる厚みです。 アシタのデカールの場合、残るのはインクだけなので当然極薄です。 インクだけの極薄マークはトップコートを吹くだけで表面に馴染み、 研ぎ出す手間や技術も必要ありません。 表面のツヤが均一になりしっとりと馴染むことで 最初から印刷されていたような自然な仕上がりとなります。 ツヤ消しの模型表面に貼り付けても物理的にクリア部分を取り除くことができるので シルバリング(不自然な光反射)も起こりません 研ぎ出しやシルバリング対策などの手間や技術的なハードルを回避できることになります。 結果的に模型初心者でも手軽にハイクラスな仕上がりを手にすることができるのではないでしょうか。 ■ トップコートとエナメル系塗料への対応について 一般的なデカールに対する使用法 を踏まえて頂ければ特に問題は発生しないはずです。 (遠目から砂吹きして様子を見る、デカールを模型表面にしっかりと密着させるなど) 吹きすぎや使いすぎにはご注意ください。 ■ 経年変化について クリア部分を剥がしたアシタのデカールは模型表面にインクのみが残ります。 これは模型表面に高精細の塗装がされているのと同じ状態です。 一般的なデカールがフィルム状に模型表面に貼り付いているのとは大きく異なります。 従いましてクリア部分が劣化して浮いてきたり剥がれ落ちてしまうようなことはありません。 塗装したように模型表面に固着される為経年も塗装と同じような状態をたどります。 きちんと保管しておきさえすれば経年による変化には比較的強いといえます。 クリア部分を剥がせるのでありがちな黄ばみがないのもポイントです。 ■ 「アシタのデカール」基本的な貼り方(下記のご使用上の注意も必ずお読み下さい) 1. 貼るマークをカッターやデザインナイフなどで切り取ります。 (注)デカールのクリア部分には刃を入れないでください。 2. 切り取ったマークを水に浸します。 3. マークが動くようになったら台紙を手で持ち、 貼る場所でマークをずらしてモデルへ移します。 4. ピンセット等で位置を調整したのち、 綿棒などで押しつけて、水分を取りながら密着させます。 5. クリア部分を剥離する場合は、そのまま十分に乾燥させてください。 6. デカールが完全に乾燥したのを確認して、 マークにセロテープ等を貼り付け、ゆっくりニス部分を剥がします。 またデザインナイフなどでクリア部分のみを持ち上げて剥がすことも出来ます。 その際モデル、マークに傷を付けないようにご注意下さい。 7. ニス部分を剥がした後に糊が残っている場合は、 水を含ませた綿棒等で取り除いてください。 ■ ご使用上の注意 ・ご利用前に不要なマークを使って、ニスを剥がすテストをしてください。 ・デカールは非常に強く接着しますので、 十分に水を含んだ状態で位置を決めてから定着させてください。 ・デカールとラッカー、アクリル、エナメル塗料との相性は確認済みです。 このためデカールとモデルのツヤの違いが気になる場合は上から つや消しのトップコートを吹いて頂くことも可能です。 ただし、いずれの塗料も吹きすぎ、付けすぎには十分ご注意下さい。 ・マークソフターの使用も可能です。 ただし、浸けすぎるとデカールを痛める可能性があります。 ・デカールは必ず密着させてください。 浮いている部分があるとインク層が剥がれる場合があります。 ・クリア部分を剥がす際はフチからゆっくり丁寧に剥がしてください。 乱暴に剥がしますとインク層が剥がれる場合があります。 ・クリア部分を剥がす際には十分乾燥させてから行ってください。 乾燥が不十分な状態でクリア部分を剥がすとインク層が剥がれる場合があります。 ・ドライヤーなどを使用することにより乾燥時間を短縮することが出来ますが、 クリア部分を剥がす際は十分にさましてから行ってください。 インク層が剥がれる場合があります。 また、乾燥器具の熱によるモデルの変形や火傷、火災などには十分ご注意下さい。 保護者の方へ ●カッター等を使用する際は誤って手・指・足等を切る可能性がありますので十分にご注意下さい。 ●切り離したデカールを誤飲する可能性がありますので小さなお子さまの手が届かないところでご使用・保管して下さい。 ←HOME |
||
Copyright (C):2022 MYK DESIGN. All Rights Reserved. |